ブックオブザイヤーの制定について
尾崎行雄記念財団・咢堂塾では、各分野の第一線のトップランナーやエキスパートを講師に招き、学びの場を提供しています。
咢堂塾のみならず政経懇話会、咢堂講演会などで登壇いただく講師の方々は優れた著作の持ち主でもあります。
このたび、一般の皆様にも広くお読み頂きたいとの思いから「ブックオブザイヤー」を制定する運びとなりました。
本年度の受賞作品は以下の通りです、是非ともお求め頂けると幸いです。
また、尾崎財団会員の皆様は「咢堂文庫」でもお読み頂けます。
選考には以下の3つの選考基準を設けています。
- 1.咢堂塾もしくは尾崎財団の講師にちなんだものであること
- 2.当該分野において、第一線級の著作であること。
- 3.上記の該当に関わらず、受賞にふさわしいと判断されたもの
大賞
|
日本人が知らない集団的自衛権(小川和久、文春新書)
安倍政権と安保法制(田村重信、内外出版)
日本人は人を殺しに行くのか(伊勢崎賢治、朝日新書)
|
---|---|
社会・思想
|
私たちはどこから来て、どこへ行くのか(宮台真司、幻冬舎)
戦う者たちへ-日本の大義と武士道-(荒谷卓、並木書房)
|
言論
|
人生も仕事も変える「対話力」 (小林正弥、講談社α新書)
一分で一生の信頼を勝ち取る法(矢野香、ダイヤモンド社)
|
地方・公共
|
コミュニティパワー
エネルギーで地域を豊かにする(飯田哲也、学芸出
版社)
復興に命をかける(村井嘉浩、PHP)
|
文芸・一般
|
わが家(井沢満、竹書房文庫)
人生の本舞台(尾崎行雄著、世論時報社)
|
『日本人が知らない集団的自衛権 』
著者:小川和久
発行:2014年(平成26年)12月19日
出版社:文藝春秋
『安倍政権と安保法制 』
著者:田村重信
発行:2014年(平成26年)7月31日
出版社:内外出版
『日本人は人を殺しに行くのか 』
著者:伊勢崎賢治
発行:2014年(平成26年)10月10日
出版社:朝日新聞出版
『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』
著者:宮台真司
発行:2014年(平成26年)2月20日
出版社:幻冬舎
『戦う者たちへ-日本の大義と武士道-』
著者:荒谷卓
発行:2010年(平成22年)2月22日
出版社:並木書房
『人生も仕事も変える「対話力」』
著者:小林正弥
発行:2014年(平成26年)1月21日
出版社:講談社
『一分で一生の信頼を勝ち取る法』
著者:矢野香
発行:2014年(平成26年)1月21日
発行:ダイヤモンド社
『コミュニティパワー エネルギーで地域を豊かにする』
著者:飯田哲也+環境エネルギー政策研究所(ISEP) (著, 編集),古屋将太 (著),吉岡剛 (著),山下紀明 (著)
発行:2014年(平成26年)11月22日
発行:学芸出版社
『復興に命をかける』
著者:村井嘉浩
発行:2012年(平成24年)11月22日
発行:PHP
『わが家』
著者:井沢満
発行:2014年(平成26年)12月4日
発行:竹書房
『人生の本舞台』
著者:尾崎行雄、石田尊昭(共編)、高橋大輔(共編)
発行:2014年(平成26年)9月30日
発行:世論時報社
2014年の選考および決定について
本年は集団的自衛権を中心とした安全保障のあり方が大きく注目された一年となりました。
大賞に選ばれた3作品はそれぞれの著者が軍事アナリスト、政府与党随一のエキスパート、そして海外紛争の現場経験者としてそれぞれ異なるバックグラウンドを持ちます。
当然ながら、各氏の主張やスタンスも異なります。
私たち尾崎財団・咢堂塾では「誰が正しいかではなく、何が正しいか」の観点から、3作品の同時受賞がもっともふさわしいと満場一致で決定致しました。
どれか一冊だけでも、またどれかが欠けても充分な議論にならない。
立場や信条が違えども、日本としての安全保障のあり方を読者に問う各作品はホームページ訪問者の皆様にも広くお読み頂けると幸いです。
社会・思想部門の2作品に関しては、言論界において常に第一線の視点を持ち続ける首都大学東京・宮台教授と、日本の武士道精神の実践に務める明治神宮武道場・荒谷卓館長の各作品を挙げました。
宮台教授の最新刊は善(ヴァーチュー・Virtue)を改めて提示頂いたことから、そして荒谷館長のデビュー作は肚(はら)の存在について明瞭に示され、共に類書の見当たらない唯一無二の作品として決定致しました。
言論部門の2作品は、一般に言われる「論」よりも、「言の実践」に重きを置いたテキストとして尾崎行雄の精神に相通ずる作品としてノミネート、受賞決定に至りました。
千葉大学・小林正弥教授、そしてスピーチコンサルタント・矢野香氏の作品はいずれも読者のスキルアップに繋がります。
地方・公共部門の選定にあたっては、2つのキーワードを選定基準に掲げました。
ひとつは「国家戦略と地方創生の相克に資するか」、そして「日本の将来を提示し得るか」。
2作品とも要件を満足する書籍との理由から受賞決定に至りました。
村井嘉浩・宮城県知事の著書は東日本大震災の発災から1年後の2012年の作品ですが、第一回ブックオブザイヤーの選定に限っては発売年に捉われず、災害の教訓を風化させないためにも受賞がふさわしいとノミネート、このたびの受賞となりました。
文芸部門は、言論や政策とは別の観点で「日本を問う」作品である事が受賞要因となりました。
著者の井沢満氏は2012年の向井理/柳葉敏郎主演「花嫁の父」、2013年の八千草薫主演「母。わが子へ」と良質のドラマ脚本を手がけ、今作の「わが家」も向井理/長塚京三主演で2015年の新春特別ドラマとして1月4日に全国TBS系で放映されます。
物語が提示する「日本のあり方」、是非とも一人でも多くの方に視聴頂きたいと願います。
また、最後の「その他」部門については身内の身びいきにてご寛恕頂けると幸いに存じます。
今年は咢堂・尾崎行雄の没後60年にあたります。
当時70を過ぎた尾崎行雄が発見した言葉、人生の本舞台。
この言葉が老若男女を問わず、手に取っていただく全ての方々にとっての活力となる事を願ってやみません。
尾崎の人生訓のみならず、ここに掲げた全ての著作はいずれも、咢堂塾の運営委員が自信をもってお奨めする良作ばかりです。
皆さまが2014年を振り返るに当たり、また明るい2015年を迎えるにあたってのご参考に頂けると幸いです。