2018.11.25
政策論議が、強い政党をつくる
2005年(平成17年)11月25日、民主党が政党シンクタンク「公共政策プラットフォーム」を設立したとの記述をインターネット辞典に見つけました。
興味深いのは、同シンクタンクはその後2009年(平成21年)の第45回衆議院議員総選挙による政権交代により、政策の政府与党一元化を図るために同党の党政策調査会とともに活動を休止。
実質の活動終了を迎えた点にあります。
第45回総選挙といえば自民党が長年続いた政権与党の座から転落、3年あまりの下野を喫した節目でもあります。
与党に転じた民主党はその後の迷走ばかりが印象に残りがちですが、後継である現在の立憲民主党や国民民主党が政策の練磨をしている様子が窺えない反面、両党よりも政策論議の向上に熱心であったことが伺えます。
ここから、ある仮説が浮かび上がります。
なぜ民主党は総選挙で大勝し、政権を奪取することができたのか。
そして、なぜ現在は自民党の一強体制が続いているのか。
政策論議に対する取り組みの真剣さに他ならないのではないでしょうか。
たしかに有権者は、移り気ではあります。
一方で、こうした姿勢はしっかりと見ていた。
だからこそ、当時の有権者は政権運営を託したのではないでしょうか。
公共政策プラットフォームでは、設立1周年の2006年に「歴史に学ぶ政党政治」と題したシンポジウムを開催しています。今はなき政策シンクタンクの興亡が、政党政治の歴史の一部としてそのまま現在の議席分布に映し出されているという見方は、決して的外れではないでしょう。
特定の政治課題に対し、賛成か反対かという単純なものではありません。解決するために、どのような方法論を提示し進めるのか。実行の効能や副作用はどうか。
それを踏まえた上で、最終的な期待あるいは予測を導き出すことができなければ、何をやります、止めますというだけでは政策と呼べません。
強い政党を作るには、掲げる政策の論議そして練磨が欠かせません。
偶然にも見つけた過去のアーカイブは、そのことを静かに、そして痛烈に突き付けます。