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Yukio Ozaki and his daughter
("Yukio Ozaki and his daughter" Yousuf Karsh,1950)

2019.4.17

ビラの競演が楽しい、今回の統一地方戦


平成最後の大型選挙となる、今回の統一地方選。
後半になり、私たちにとって最も身近な市区町村議員選挙が各地で繰り広げられています。
私たち尾崎財団が主宰するリーダー育成塾「咢堂塾(がくどうじゅく)」のOBも多くの方が今回の選挙に挑んでいます。

さて、ここ5,6年は選挙にとっても幾つかの制度改革が行われてきました。
2013年のネット選挙運動、2015年の18歳選挙、そして今回2019年の証紙ビラ解禁。
この三つの改革は、まだ道半ばながらも着実に選挙のあり方に変革をもたらしたといっても差し支えないでしょう。
特に今回の証紙ビラ解禁は、職場や学校の行き帰りに駅で受け取られた方も多いかと思います。
それぞれの候補者の想いや創意工夫が随所に見られ、掲示板のポスターやウェブサイトを見較べるのとは違った楽しみがあります。

さる2月に卒塾を迎えた咢堂塾20期の方々のビラも、そうしたアイデアや熱意満載です。
たとえば、埼玉県和光市の内山恵子さんは、主婦目線に寄り添った「スーパーチラシ型」。


毎日の日替わり記事ごとにQRコードを設け、両面すべてのイラストをみずから書き上げた力作です。
手書きイラストのビラ自体は時おり見かけますが、候補の直筆イラスト(しかも上手い)は、全国を探してもお目に掛かれないでしょう。

東京都港区の黒崎祐一さんは、大学時代にラグビー日本一を経験したラガーマンですが、おそらく過去に例のないであろう「ラグビーボール型」。



聞くところによると、楕円のボールのほぼ原寸大とのこと。
大平正芳・元総理が掲げた「楕円の哲学」が秘められたテーマかも知れません。

1週間の選挙戦もいよいよ折り返し地点ですが、街頭ではぜひとも各候補者の訴えに耳をかたむけ、配られるビラを比較しながらそれぞれのアイデアにも注目いただけたらと思います。
選挙はなにも、候補者が主役ではありません。
一票を投じる一人ひとりが、真の主役です。
大いに悩みましょう。そして楽しみながら、それぞれの主張の違いを、じっくりと見極めましょう。